認定スクラムマスター (CSM) を取得するまで

2020年11月21, 22日に認定スクラムマスター (CSM) セミナーを受講&取得したので記録を残しておきます。

peatix.com

アジャイル/スクラムと私

アジャイルスクラムは8年前くらいからゆるく実施しながら書籍を通じて独学しており、コミュニティとしては今はもう開催されていないアジャイルサムライ横浜道場に3年ほど通っていた。

今の現場では全社的なスクラムの推進と外部アジャイルコーチのサポートもあり、チーム全体としてもスクラムのモチベーションが上がってきたのでこれを機にCSMを受けてみることにした。

申し込み

セミナーの申し込みは scrumalliance.org から行った。CSMセミナーは頻繁に行われているが、自分が申し込もうとした時は土日(10:00 ~ 16:00)開催しかなかったので3連休に組み込むことにした。

事前準備

セミナーを受ける前に下記を読んでおくこと、という案内があったので読んでおく。
スクラムガイドは受講した2020年11月に改定があったので読み直すタイミングとしてちょうどよかった。

スクラムガイド
https://scrumguides.org/docs/scrumguide/v2020/2020-Scrum-Guide-Japanese.pdf

スクラムマスターチェックシート
https://scrummasterchecklist.org/pdf/Scrum-Master-Checklist-jp.pdf

セミナー

講師は Joe Justice さんだった。オンライン開催だったためワークショップは zoom & miro を使用して行われた。基本英語だったが、通訳の方が都度翻訳してくれたので困ることはなかった。ワークショップは4人チームで編成され、内自分含む2人が経験者だった。アンケートで経験年数を書く欄があったので、おそらく経験者と未経験者がいい配分になるように組まれていたと思う。

おおまかなコンテンツの内容は以下の通り

1日目:

zoom & miro の使い方

オンライン開催なのである程度ここに時間を割く必要がある

スクラムボードについて

実際に各ワークショップをストーリーに見立て、進捗をベロシティで測っていく

スクラムの各ロールについて

PO、SM、ENについてのそれぞれの期待役割の説明を受け、ワークショップでは役割が書かれたカードをそれぞれのロールに割り当てながらディスカッションを行った。

予算確保ではなく資金調達(Founding)がPOの仕事になっていたところが質問にあがっていたが、スタートアップではPOが直接資金調達も行うことが多いことと、大きい会社ではExcectiveに掛け合うことに変わってくる、という解説をされていた。

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Joeさんはメンバーそれぞれが顧客意識を持つためにロールはローテートすることをおすすめすると言っていた。下記はセミナーの中で流されたあるアメリカの量販店が行っている開発の様子だが、実際のサングラス売り場で顧客からフィードバックを得ながらその場で開発を行っている。強い。顧客もデイリースクラムに参加して意見を言っている。強い。

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スクラムイベントと関係するメンバー、アウトプットについて

それぞれのスクラムイベントを矢印と図で表していくワークショップ。経験者で頭にイメージが湧いていてもそれを共同作業しながら図にしてくのは大変だったので、未経験者はだいぶ手こずったと思う。

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弊チームの成果はこちら

見積もり

ロケットの組み立てを例に相対見積もりのやり方を学ぶワークショップ。普段自分たちが行っているスクラムと違ったところは、プランニングポーカーの結果を揃うまで実施するのではなくその平均値で決定するところだった。

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最尤推定という言葉は初めて知った

下はCSPO(Certified Scrum Product Owner)の内容が15分でまとめられたとても良い動画。POが大事なのはNOと言えること。わかる....わかるぞ......

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最後に、スクラムがビジネスに与える影響について下記記事を読んで100字程度でまとめる、という宿題が出され1日目は終了。

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2日目:

Home work review

各人の宿題の答えをレビューし、各チームでサマリを書くワークショップ。

プロダクト製作体験

実際に作りたいプロダクトをチームで決め、ペルソナを想定し、魅力的な機能を定めそこからストーリーに落としていくというワークショップ。面白かったのは開発コストとしてのストーリーポイントだけでなくそのストーリーが生み出すバリューも求めて、Value / StoryPoint の式で優先順位を決めていくところだった。自分たちが回しているスクラムではSPだけを開発者が決めてValueは優先順位はPOが決めているので、ここの意識を全員が持てるとより価値の高いプロダクトを作っていける気がしている。

また、ストーリーを書く上では理由(WHY)が含まれているのが大事、とJoeさんは強く言っていた。わかる....わかるぞ.....

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どこかで聞いたことあるサービス名

Sprint Review & Retrospective

スプリントレビューと振り返りについて学ぶセクションのハズだが、おそらく時間が足りなかったのでサラッと通った印象。振り返りではこのセミナーのGood/Moreを2つずつ挙げてvoteしたが、みんなmiroに苦しめられていた印象だった(わかる)

といったあたりで全行程が終了した。最後はロスタイム的にQ&Aが実施されたが、大規模な組織にたいしてどのようにスクラムを導入すれば良いかという質問が多く、ハイブリッドアジャイルという言葉も飛び交っていた。大変そう(こなみ)

試験

2日以内に試験案内についてメールが来ますということだったがその日の夜にはメールが来てたのでそのままの勢いで受けた。セミナーの中でも日本語は辛いぞ、と言われていたが興味で日本語を選択してみたら本当に辛かった。だが後日受けた同僚は英語でやったそうだがそちらでも質問形式になってなかったりとどのみち辛い、という話だったのでよくわからない。

正直このセミナーだけで試験をパスできるかは怪しいところで、ちゃんとスクラムガイドを熟読してから挑んだほうが良い(試験中も見ることは許されている)。

全体としての感想

そもそもCSMはスクラムをやり始めて少し経ったくらいに受けるとちょうど良いと思っているので、新鮮味というところだとそこまでなかったが、それでもちょいちょい疑問点は出てきたのでUnlearnして入門しなおすきっかけとしては良かったと思う。

残念というかもったいないな、と思ったところはオンライン開催なので休憩時間中はみんなマイク/カメラOFFにしてしまうので同じチームで現場のことについて雑談する時間が少なかったところ。ということを社内アジャイルコーチに言ってたらこんなイベントあるで、と教えてもらったので無事開催されるようなら覗きに行きたいと思う。

2021.scrumgatheringtokyo.org